うずまきたびおの英語見聞録

うずまきたびおが実践してきた英語教材、英語に関する経験の軌跡

【精読】英文解釈教室

書名: 英文解釈教室

 (2015/03/19改訂, 2015/05/06改訂)

 

伊藤和夫氏が書いた、英語読解方法を指南する本である。

英文を「直読直解」するために、どのような視点を持ち、読解していけば良いかという方法論を、独自のメソッド・問題を通じて習得する形をとる。

初版は1977年ということもあり、かなり年季の入った本だろう。

 

購入の経緯:

英語を勉強し始めて、色々な問題集に出会う過程で、伊藤和夫氏の本に出会った。

グーグル先生によると、「とても難しい内容の本だが受験界に留まらず、翻訳者も参考にしている」というレビューを読んで購入したが、これが地獄の扉を開くことになるとは、当時知る由も無かったのである。

 

レイアウト:

【例題→ヒント→解説】というひとかたまりで、掲載されている。

解説・問題が次のページへ跨ぐこともあり、解説も読みやすい形式とは言えず、著者が語りかけてるような内容になっている。

 

内容・注意点:

 

冒頭の”はしがき”より引用

 

訳読中心の学習法を批判することは戦後の流行である。しかし、批判者は新しい学習法として何を打ち出したのであろうか。「英語で考えよ」と言われる。(中略)「直読直解」といわれる。(中略)しかし、それはどのような頭の働きなのか、何を手がかりとし、どのような習練を積めばその域に到達しうるのか具体的道程を示さずに、念仏のように直読直解を唱えたところで初心者にはなんの助けにもならない。

(中略)

筆者が本書で試みたのは、英語を形から考える練習、つまり、英語を読んでいるかぎり決してそこから離れることができない基本的な約束を明らかにすることから出発し、その原則に基づいて英語の構造を分析し、読者とともに考えることを通して、英語を読む際に具体的には頭はどのように働くのか、また働くべきなのかを解明することである。

【考察】

著者がこの本を書いた理由の一つは、戦後の英語教育に対する批判を受けて、

彼なりの英語読解方法を学習者に授けるつもりだったのではないか?と推察する。

 

【内容】

Chapter 1~15に分けて、各構文を解説していくスタイル。

古い本であるということもあり、英文がかなり難解な印象を受ける。

(ネット上でも、その様な印象を受けた人がレビューを書いてたりする)

P.4 1.1 例題(1)より引用

①A sensitive and skillful handling of the language in everyday life, in writing letters, in conversing, making political speeches, drafting public notice, is the basis of an interest in literature.

②Literature is the result of the same skill and sensitivity dealing with a profounder insight into the life of man.

 

この記事の読者の方は読解(S、Vが把握)できるだろうか。私がはじめてこの例文を見たときにまず、

「sensitiveだのskillfullだの, drafting public notice だの profounder insightだの、文型を理解する以前に単語が難しすぎて理解ができない!」という印象を抱いたわけである。

皆様にも是非この感動?を味わって頂きたい。

 

解説、解答は以下の通りである。

同ページより引用

A...handling を主語とする動詞は何か?(---中略---) of 以下をinとingの反復を手がかりに、

 

of the language in everyday life,

of the language in writing letters,

of the language in conversing,

                                making political  speeches,

                                drafting public notices,

と読み解いて is という述語動詞を見つけるのが、英文解釈に必須の学力。

 

確かになるほど!すげー!でも、出てくる単語が難しすぎないですか!?伊藤先生!

同ページより引用 (単語の解説)

making political speeches 「政治演説をすること」

drafting public notices 「公式の通知を起草すること」

the basis of an interst in literature 「文学への関心の基礎」

a profounder insight 「もっと深い<人間生活への>洞察」

making...は政治演説かー!なるほど。他のは・・・・・・難しすぎるッッ!

 

以上の乱文より、本書の英文のレベルの高さを少しでもご理解して頂けたら幸いである。

 

まとめ:

本書で登場する例文を読解できるレベルの人間は、そう多くないだろう。

筆者もこの記事を書くために見直しているが、さっぱり解らない部分が多い。

英語学習者が全てが、このレベルの英文を読解できる必要性があるのか?という疑問が残るほどレベルが高いものである。

 

数多の学習者が挑戦し、内容の難しさに挫折していった本であろう。

もちろん、私も挫折した一人である。

(P.31までは勉強した形跡が残っていた。)

 

この本は、言うならばドラクエやFFで言う”裏ボス”である。

ストーリー上、攻略の必要は全くないが、世界を制覇したい冒険者(読解・精読を極めたい英語学習者)は、チャレンジしてみたらどうだろうか。

 

数多の冒険者(英語学習者)が、英文解釈教室(伊藤先生)に挑み、挫折したと思う。しかし、私(挫折者)は諸君らの挑戦を歓迎する!

 

 

英文解釈教室 改訂版

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